ファン・エイク
Jan van Eyck (1390-1441)
フランドル  初期フランドル派

ロランの聖母
Wood 26 x 24 1/2 in. (66 x 62 cm)
パリ ルーヴル美術館


聖母子と注文者を、描く場合、聖人が仲立ちするのが普通なのだが、ここでは、同一空間に描いている。かなり、大胆なことである。

しかし、よく見ると、寄進者の宰相ロランは、非常に写実的に描いているのに対し、マリアとイエスは、こころもち、尺度が違っていて、別次元にいるようでもある。

イエスの頭部に広がる背景は教会の塔の林立で、宰相ロランの側の背景には、民家がひしめいている。

このことでも、聖なる人(マリアとイエス)と俗なる人(宰相ロラン)を分けている。

見方によれば、マリアとイエスは、宰相ロランの想念の像なのかもしれない。

イエスが、赤ん坊としては、大人びた表情である。中世芸術の名残である。イエスは「神性」を持った存在で、人間の王者として、描かれているのである。

細部描写に優れているのは、ファン・エイク兄弟の特徴であるし、フランドル絵画の特徴でもある。

背景のバルコニーから、景色を眺めているのは、ファン・エイク兄弟ではないか、という説もある。この二人も、いいアクセントになっていて、どこまでも続く背景へと目がいく。



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