フェルメール
Vermeer (1632-75)
オランダ   17世紀オランダ絵画

「信仰」の寓意 The Allegory of Faith  、1671-1674
ve05.jpg (52128 バイト) Oil on canvas
Metropolitan Museum of Art    New York, NY   USA
『信仰の寓意』はキリスト教に関する、象徴的なものを集めて描いている。カーテンは、向こう側を舞台に見立てる幕の意味を表す。

女性はイヴである。後ろにかかっている絵は、キリストの磔(はりつけ)である。床に転がっているボールは、りんごを表す。アダムを誘惑したりんごであり、人間の罪のしるしである。

オランダの内装である白黒のタイルの上を這っている、血を流した蛇。この蛇は悪に対する善の勝利を表している。

この血を流している蛇、そして天球を仰ぎ見ているイヴ。これこそが、悪徳に打ち勝ち、信仰という美徳を求めるという姿を表している。

彼女の足は地球儀の上に乗っている。そしてもう一つ、天井から、ガラスの天球がぶら下がっている。人間の理性の象徴であると考えられている。


40歳になったフェルメールが、初心に戻って描いたのが、この宗教画である。以前、Christ in the House of Martha and Mary と Saint Praxidis を描いたのは、20代の頃のことであった。

彼女は地上の人間で、天井の球を仰ぎ見ている。しかし、その姿はどこか、ぎこちなく、フェルメールらしくない作品である。他のフェルメールの作品を見ると、人間のポーズは、ごくごく自然に描かれているのに。それほどの宗教心を持って描かれた作品と思えないのは、ドリアンだけだろうか。

フェルメールは、結婚したときにカソリックに改宗している。イエズス会にも近しかった。フェルメールは息子の一人に、Ignatius という名前を付けている。イエズス会の創設者の名前である。この絵は、依頼を受けて描いたと思われる。

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