アールト・デ・ヘルデル
Aert de Gelder (1645-1727)
オランダ  バロック

Simeon's Song of Praise  (神殿奉献)
1700

Oil on canvas

オランダ、ハーグ、マウリッツハイス美術館
シメオンは敬虔な信者であった。メシア(イエス)に会うまでは決して死なない、と聖霊からお告げを受けていたのである。

シメオンはある日、聖霊に導かれ神殿の境内に入ってきた。そのとき、マリアとヨセフは幼児イエスを連れてきていたのであった。

シメオンはイエスを腕に抱き、神に言った。「神よ、今こそ、私を安らかに去らせていただけますね」

シメオンはこの日を、どれほど待ったのだろう。聖書には書かれていない。その日がいつ来るのかも分からず、待ちつづけなければいけないのである。まるで、「縛られたプロメテウス」である。不死ゆえの苦しみである。

さらに辛い預言をマリアに与えねばならない。「この子のために、あなた自身の心も剣で刺し抜かれます」

これは、キリストの磔刑を預言したものである。「子供に先立たれる母」を預言しなくてはいけなかったのである。

シメオンは悦びと悲しみを、同時に知ることになる。

この主題はレンブラントも描いている。(参考・レンブラント1 )(レンブラント2

この作品において、デ・ヘルデルはレンブラントに勝るとも劣らない技量を発揮している。いったいシメオンは、イエス・キリストというメシアの到来をどれくらい待ったのであろうか。シメオンの安堵と深い悲しみが出ているのは、デ・ヘルデルの作品のほうであろう。

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