ヒロエニムス・ボシュ
 (1450−1516)
ネーデルラント  ゴシック
愚者の舟 The Ship of Fools
1490-1500
Oil on wood
23 x 13" (58 x 33 cm)
Musee du Louvre, Paris


人生とは、こんなにも小さく、頼りない舟に乗った航海のようなものなのだろうか。

ここに描かれているのは、皆、愚者である。僧や修道女もいる。愚者とは、無信仰な人間のことだけではないのである。

人間は皆、愚かなのである。人間は、誰もが、このような愚かで、悲しい航海を強いられているのである。

ボッスの、このような悲観的な見方は、少々不愉快な面もある。しかし、彼が描く奇怪な怪物たちは、人間の内面に潜む利己心を具現したものなのである。だからこそ、怪物たちは、生き生きとしているし、現実的なのである。

時代は、1500年を迎えようとしている世紀末である。政治的にも、社会的にも、大変動期であった。ボッシュの絵画のペシミズムは、時代の反映ともいえる。

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