ヒロエニムス・ボシュ
 (1450−1516)
ネーデルラント  ゴシック

守銭奴の死 Death and the Miser
c. 1490
Oil on wood
36 5/8 x 12 1/8 in. (93 x 31 cm)
National Gallery of Art, Washington


病床の男は死をむかえようとしている。扉から、死神が忍び込んできて、男を狙っているのである。この死の床にいる男の物語が画面に描かれているのである。

床に転がっている、鎧は、この男が、戦いによって富をなしたことを意味している。

中央、右よりのグリーンの服を着た男は、病床の男と、同一人物である。地味な服装で、お金を金庫に入れている守銭奴である。ロザリオと金庫の鍵をしっかりと持っているが、すでに、悪魔たちが忍び込んでいる。男は、それに気づいていない。男の地獄落ちの原因を描いている。

肉欲、大食、物欲は、15世紀において、教会説教では主要なテーマであった。

ベッドの脇では、悪魔が金の入った袋を渡そうとしている。守銭奴は、もう、自動的に手を出している。最後の誘惑に負けたのである。

病床の守銭奴の背後には、天使がいる。左上の十字架に注意を向けようとしている。救済を願っているのだ。しかし、守銭奴は、その十字架には目を向けようとしない。

左下に、絹の衣装があり、そこに小悪魔がいる。横向きで、ひじを付き、あきれたような、あるいは、守銭奴を地獄へ導くのは、簡単な仕事だったなあ、と言わんばかりである。この小悪魔は、ボッスの自画像ではないかと考えられている。

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